独立行政法人日本学術振興会の令和7年度研究拠点形成事業 (A. 先端拠点形成型)に、神戸大学国際協力研究科を拠点機関とした国際共同研究プロジェクトが採択されました。
研究課題名?研究代表者
<研究課題名>
地球益実現に向けた社理連携による南極ガバナンス国際研究拠点の構築
<研究代表者>
神戸大学大学院国際協力研究科 柴田 明穂教授
<研究期間>
令和7年~11年度
拠点機関
<相手国拠点機関>
? タスマニア大学 (豪州)
? 韓国極地研究所 (韓国)
<国内協力機関>
? 大学共同利用機関法人情報?システム研究機構 国立極地研究所
? 北海道大学
? 上智大学
<海外協力機関>
? ウーロンコン大学 (豪州)
概要
<研究拠点形成事業とは>
地域における諸課題解決に資する研究課題について、我が国と世界各国の研究教育拠点機関をつなぐ持続的な協力関係を確立することにより、当該分野において世界的水準または地域における中核的な研究交流拠点の構築とともに、次世代の中核を担う若手研究者の育成を目的とした事業です。A.先端拠点形成型は、我が国において先端的かつ国際的に重要と認められるものが対象です。
<採択課題概要>
南極域が現在そして今後100 年にわたって直面し続ける2つの危機に、的確に応答できる国際的且つ学際的な南極ガバナンス研究拠点を構築します。2つの危機とは、第1に気候変動を主因とする南極氷床?海氷?海洋?生態系の激変、第2にグローバル?サウスによる「多極化した世界秩序」の主張です。今後の海面上昇の約1/4 が南極起因であると言われており、南極ガバナンスのあり方は、今やグローバルな関心事となっています。本研究拠点は、南極研究の歴史と強みでそれぞれ特徴があり、南極ガバナンスに対する基本的立場で一致している日本、オーストラリア、韓国を戦略的に結びつけます。危機の主因に対応して2つの共同研究課題を設けます(R1「気候変動下で激変する南極に関するガバナンス的対応の強化」R2「地政学的変化の中にある南極ガバナンスとアジアの建設的関与」)。その下でこの5 年間では以下5 つのトピックを明らかにします。R1は①南極氷床融解とそれを保全する工学的構想の是非及び②コウテイペンギンを含む南極生態系の保全、R2は③平和利用の下での南極科学調査の推進、④南極由来の遺伝資源の保全と持続的利用、⑤増え続ける南極観光活動の適切な管理を扱いますこれら南極ガバナンス的課題への対応には、国際法学、国際政治学、ガバナンス論、海洋資源管理論といった社会科学系研究と、地球海洋物理学、雪氷学、南極生態学といった自然科学系研究との連携(社理連携研究)が必須であります。国内においては協力機関の参画により学際的研究ネットワークを強化し、海外拠点にはタスマニア大学海洋南極研究所(UTAS-IMAS)、韓国極地研究所(KOPRI)を位置づけ、強固な地球科学?南極科学の知見及びフィールドからの情報に基づかせて、ガバナンス研究を展開します。100 年先の南極ガバナンスを構想する以上、今後100 年間国際研究交流が継続できるように、国際的には若手研究者支援組織(APECS)を活用し、国内的には南極国際大学(IAI)の仕組みを利用して、若手研究者養成と大学院教育にも力を入れます。
本研究の学術的成果は、査読付き国際ジャーナルでの公表に留まらず、新たに得た学術的知見を基礎に具体的なガバナンス課題に対する解決策を提言する「ホワイト?ペーパー」を起案し、広く関係ステークホールダーに発表します。特に、南極ガバナンスに係わる政策的提言は、2026 年日本、2027 年韓国で開催が決定されている南極条約協議国会議(ATCM)に向けて作成され、研究成果の社会実装を図ります。