日本国際芸術祭の会場
観客で賑わう神戸大学展示ブース

日本の美と心を世界に伝えるイベント「第3回日本国際芸術祭」が7月2日、2025年日本国際博覧会(大阪?関西万博)会場内、EXPOメッセ(WASSE)NORTH会場で始まりました。神戸大学も展示ブースを設け、7月6日まで、学生スタートアップ事業、本学教員による先端研究を紹介しています。

芸術祭は、大阪?関西万博開催を契機に開催される新しい国際的なイベントです。一般社団法人夢洲新産業?都市創造機構が主催し、2023年に京都市内で始められました。第3回となる2025年度は、万博会場をメイン会場に行われます。京都の寺院、関西の大学、自治体、企業など54団体が、4つのテーマで情報を発信します。

本学は、「Well-Being&SDGs+Beyond いのち輝く未来社会」をテーマにブースを展開。SDGsの実現に向けた共創の挑戦を通じて、未来社会を創造する学生、教員、企業のビジネスアイデアをアピールしています。

学生のスタートアップ事業として、シロアリ由来の水素生産技術を活用し、水素プラントのライセンス販売事業に取り組むことを構想している「HIM(ヒム)」と、アトピー性皮膚炎のかゆみを抑える緑茶染めインナーシャツを開発している「SkinNotes(スキンノーツ)」の2団体が、パネル展示しています。SkinNotesの中野拓実さん、北野まどかさん(ともに経営学部4年)は「試作品が完成し、今後売り出すタイミングに、万博で展示できることは大きな一歩です」とアピールしていました。

また、本学の先端研究として、工学研究科?杉本泰准教授がシリコンナノ粒子を材料に開発した世界初の色材を紹介。新しいナノ粒子塗料を施したミニカー、恐竜のフィギュアを展示しています。

理学研究科?津田明彦准教授が研究する光で化学品を作る「光ものづくり」についても、写真パネルでわかりやすく解説しています。展示に立ち会った理学研究科博士課程前期課程の江利口泉さん(2年)と宮嶋義規さん(1年)は「今までの石油製品とは異なる全く新しいバイオものづくりの技術。光の反応によって作られる製品は、医薬品や香料などで、身近に感じてもらえると思います」と強調していました。

杉本准教授のナノ粒子塗料を塗ったミニカーや恐竜のフィギュアの展示物
日本国際芸術祭の神戸大学展示ブース

 開催初日は、朝から多くの来場者が訪れ、恐竜のフィギュアを提供した「海洋堂」の渡邊経康代表取締役、宮脇修一顧問と同社本社の所在地?大阪府門真市の宮本一孝市長も来場、パネル展示を見学しました。現地入りした喜多隆理事?副学長は「神戸大学の学生スタートアップ2団体、教員2人の取り組み、企業の新しい提案1件をパネル展示しています。とりわけ、教員は起業もしており、今回の展示は発表の絶好の機会です。学生のスタートアップは、これを機に企業との交流が生まれることも期待しています」と話していました。

展示パネルに関するクイズ5問に答えて、公式キャラクター「神大うりぼー」グッズが当たるコーナーも盛況でした。

開場は10時から20時まで。最終日6日は10時から12時までです。万博会場への入場はチケットが必要ですが、当イベントへの入場は予約不要です。

本学は9月30日から10月6日まで、万博会場内で開かれる「フューチャーライフエクスペリエンス」(未来社会ショーケース事業)の期間展示、ステージ発表にも参加予定です。  

                   (SDGs推進室、総務部広報課)