本書は、ユネスコ、OECD、GPE、世界銀行、ユニセフの職員として教育開発の分野世界を舞台に活躍する11名の女性が、自身のキャリアパス、やりがい、挑戦、そして仕事と家庭の両立について詳細に語ります。彼女たちは、出産や育児によるキャリアの中断を乗り越え、異なる国や文化を跨いだ職務経験を積みながら、競争の激しい環境で試行錯誤を繰り返してきました。その実例は、彼女たちの奮闘と工夫のプロセスをリアルに伝え、多様で力強い生き方を描き出しています。
さらに本書は、国際機関を目指す人々にとって実践的な手引きとしても活用できる内容となっています。国際機関で求められる人材像やキャリア形成に必要なスキルについて具体例を交えながら解説するとともに、準備段階で役立つ実践的な方法論も詳しく紹介しています。また、キャリアの初期段階で直面する課題から幹部ポストに至るまで、さまざまなステージにおける成功と困難の経験談を網羅しており、広範な視点から国際的なキャリア形成を支援します。
本書は、女性の視点を中心に据えていますが、国際協力や教育開発を志すすべての人々に向けたメッセージも込められています。自分の価値観や信念を見つめ直し、文化や背景の異なる人々と協力しながら、国際的なキャリアを築くための知識や洞察を提供します。加えて、単なる実践的なアドバイスにとどまらず、多くの読者に勇気や希望を与える一冊となることを目指しています。国際舞台で活躍する未来への扉を開く第一歩として、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
神戸大学大学院国際協力研究科?教授 小川啓一