教育の経済分析

教育の経済分析

教育政策に携わる実務家や研究者、そして教育投資の効果を科学的に捉えたい方にとって、基礎理論から応用までを一貫して学べる有用な本。

  • 著者
  • 小川啓一 (訳?解説)
  • 出版年月
  • 2016年06月
  • ISBN
  • 9784798912677

本書は、教育経済学の代表的研究者であるモーリン?ウッドホール博士らの理論と、世界銀行など国際機関の実践的知見を融合し、教育投資における費用便益分析を体系的に解説した入門書です。授業料や教材費などの直接費用だけでなく、通学や学習による機会費用も含めて教育への投資を評価し、割引現在価値や内部収益率といった指標を用いた客観的な分析手法を提示しています。

さらに、女子教育の重要性や開発途上国の教育支援など、具体的事例を通じて費用便益分析がもたらす政策的インパクトをわかりやすく解説。世界銀行が行う教育プロジェクトの評価や財政支援の在り方など、実務でどのように活用されているかも紹介されています。そのうえで、費用便益分析を用いる際の留意点や批判的見解にもしっかり触れ、数字だけにとらわれない柔軟なアプローチを提唱しています。

教育政策に携わる実務家や研究者、そして教育投資の効果を科学的に捉えたい方にとって、基礎理論から応用までを一貫して学べる有用なガイドです。国際的な視点と最新の研究成果が詰まった一冊として、教育の質向上や社会的格差の改善に関心を持つ幅広い読者におすすめです。

神戸大学大学院国際協力研究科?教授 小川啓一


目次

  • 第1章 費用便益分析の目的
  • 第2章 費用の計算
  • 第3章 便益の計算
  • 第4章 割引現在価値の計算
  • 第5章 教育投資の収益率
  • 第6章 教育費用便益分析に関する反論
  • 第7章 収益率の計算
  • 第8章 収益率計算の代替手法
  • 第9章 収益率の解釈: 比較
  • 第10章 教育費用便益分析の実例
  • 第11章 政策を導くための費用便益分析
  • 第12章 結論: 教育計画におかえる費用便益分析の実践的有用性