本書は、1990年代以降に隆盛した教育開発および教育支援分野における、日本の基礎教育支援の実績と今後の課題を包括的に論じた一冊。国際的な教育支援の潮流に呼応しながら、日本は「万人のための教育世界会議」(1990年)以降、EFA(万人のための教育)やMDGs(ミレニアム開発目標)、PRS(貧困削減戦略)といった国際的イニシアティブに積極的に関与してきた。
本書では、こうした国際協力の歴史と背景を整理しつつ、日本の教育支援政策の変遷を振り返ります。特に、日本が途上国における基礎教育の普及と質の向上をどのように支援し、貧困削減や持続可能な社会の構築に貢献してきたかに焦点を当てる。
さらに、教育分野の国際協力における政府機関、国際機関、NGOの役割や連携についても詳述しており、教育政策に関心を持つ研究者や実務者にとって貴重な資料となる内容です。これからの日本が基礎教育を通じて世界にどのように貢献していくべきかを問う本書は、読者に新たな視点と示唆を提供する。